あなたは関口先生が新しく連載を始めた雑誌の編集者。出版社主催生放送のラジオのワンコーナーで期待の新星、関口巽先生にインタビューする事に。只インタビューするだけではつまらない、関口先生の友人宅で中継する案が採用され、関口先生の人となりを知る為、友人も交えたインタビューということになった。 何で私が…?しかもラジオで…?と一抹の不安と理不尽な設定に怒りを感じつつも仕事だから仕方ないと腹を括る。しかし昔からの知り合い、鳥口からの情報があなたの好奇心を限りなく刺激する事になる。どうやら、鳥口も含めた友人達と先生は友人関係とは名ばかり、ただならぬ関係にあるらしい…。 「ええーー♪同性愛で不倫でしかも奥さん含めると六角関係〜??♪わくわくドキドキ♪」 使えるネタは何でも使おうと、ちょっとした反骨精神、好奇心も手伝ってインタビューの中心のネタにする事に勝手に決めた。 さて、つつがなく無事にラジオの時間を使ってインタビューを終える事が出来るのだろうか…?(今無理矢理作った設定なんで滅茶苦茶でも許して下さい 涙) |
|||
「中禅寺家より、ラジオ生放送」 が、ガガーっ…ザー…ピー。ザザ…あ、あーマイクテス、マイクテス…本日は曇天なり。おお、良し。それでは本番入ります! 中継は中野、中禅寺秋彦さん宅、座敷にてお送りしております。皆様、日曜の午後いかがお過ごしでしょうか。 此処で第一回、大インタビュー大会を開催したいと思います!〜ドンドンパプパプ〜!今回のインタビューは、期待の超新星幻想文学若手旗手、鬼才関口巽先生です。今日は先生を丸裸にしちゃいたいと思います。 DJ兼インタビュアーは、伯英館入社2年目の、でお送りしたいと思います。それでは、四方様。リスナーに御挨拶をお願いします。 「榎木津だ。うやまえ」 「あんたは馬鹿じゃないか。初対面でそれは無いだろうに。・・・中禅寺秋彦です。短い時間ですが宜しく」 「…っこ、こんにちは。関口…です」 「先生、そんなちっちゃな声じゃ聴こえないっすよう! 鳥口守彦です。お日柄も宜しく☆」 ―ちょっと曇ってますが確かにうららかですねぇ。 しかし、気の所為か…びみょーに、緊迫した空気が・・・ さ、さぁインタビュー大会と銘打って有りますので、早速ですが質問させていただきます。 それでは、ずばり、関口先生。先生は誰が好きなんでしょうか?! 私のよんだところでは、榎木津さんなのではないかと! 「ぶぅっ…!」 あ!先生お茶を・・・!大丈夫ですか?! 「さん!? 君、今日はインタビューなんだろ?! だったらそんな事じゃなくてもっと別の・・・!だ、大体君はなにを知ってるの?!」 「いいじゃないっすかぁ、関口先生♪ ラジオの電波に乗って、晴れて僕等公認カップルっすね!…あ、さん僕は訂正します、そのよみは間違っているっす!勿論ぼくっすよ!!」 「のよみは間違って無いのだ! 鳥ちゃんよりは僕の方が関も好きに決まっている。鳥ちゃんは僕の500分の1ぐらいじゃないか?」 二人とも自信満々ですねっ! ん・・・? え・・・ちゅ、中禅寺さん…あの、無言で先生の手を座卓下で触るのは止めて貰えませんか・・・。お触り厳禁ですので。関口先生もされるがままになってないで…。 「あ、ご、ごめん。・・・京極堂・・・手を離してくれないか・・・」 「ん、なんだい関口君。良く聞こえないなぁ。手を? 離さないで? しょうがないな、僕に甘えるのもいい加減にしないか。君も〜」 「ちゅうぜんじさぁあんー! その手を離しなさいー! 大体飼い主の癖に何やってんですか! それは僕の仕事です」 「ふん、飼い主が飼い犬に何をしようと、飼い主の勝手だろう」 「何が飼い主だ。劣情煮えたぎりの癖に。じゃあ、僕は関の左手を貰うとしよう」 「ああー! ズルいっすぅ〜!」 「え・・・? かいいぬ? かいぬし・・・?って、京極堂・・・くすぐった・・・! 榎さんもっ! やめ・・」 ?!!・・・ちょっとまって!ヤメテクダサイッテ!!?(滝涙) 鳥口も(呼び捨て)先生の腹を触らないでぇええええ!!! 皆さん冷静になって下さいってーー!!! いい大人が公共の電波に何を流す気ですかぁーーー!?? 「・・・!」 「?」 「!!」 「さ・・・」 はぁ、はぁっ!大体・・・関口先生っ!? もっと確りして下さい!! 中禅寺さんっ! 不言実行も良いですけれど、時と場合を考えてください!(血涙) 鳥口さんっ! 悪乗りしすぎです! 榎木津さん! あなたの存在自体がR指定っ・・・!(*ノノ) ・・・ううっ、叫びすぎで、目の前が白い・・・。 「…酸欠でしょうね。さん・・・大丈夫ですか」 せ、関口先生に心配されては私も終わりという気がしますが・・・、関口先生、取敢えず、私の背後に座ってもらえませんか。あの三人の近くに座られたんじゃあ気になってしまって質問が出来ませんので。 「ええ〜! さん酷いっすよぅー! 僕の楽しみを奪わないで下さいよー。職権乱用―」 「君だって人のこと云えやしないだろ」 「僕はどっちでも良いぞー。何処かの編集者と違って、関を好きに拘束できる立場にあるし」 な、なんかサラッと物凄い爆弾発言をしている方が居ますが…き、気にしない事にして・・・もう一度質問しますね。関口先生、もうホント誰が好きなんですか?! 「好きって――雪絵が好」 あ〜残念。雪絵さんは無しです。そういう時限の話じゃないんで。ほら、ここで関口先生の事を凝視している彼らのなかで、誰が好きか、ということです。・・・皆様、黙って聞いてて下さいね・・・(ドスを利かせる) 「さん、恐いっす・・・」 恐いですかぁ?いやだなぁ〜♪ 疲れてるだけですって。(ある意味自業自得)それで? 関口先生、答えは? 「み、皆好き、じゃダメ・・・ですか」 「それは、皆嫌いと同じじゃないか」 中禅寺さん、相変わらず突っ込み早いですね。 「別に嫌いじゃないけど…」 「ああ、ぼかぁ何度この台詞に泣かされたことか…」 泣くのは後にして下さいね! 湿っぽいのは無しでお願いします。関口先生、やっぱり好きにも色々あると思うんです。多分、些細なことですが違いが有るでしょう。そこを聞かせて貰えませんか。 「と云われてもね・・・。私は別に皆を比べて付き合っているわけではないから」 そんな事を云われちゃうと、この企画が倒れるんですよ! なにか、何かあるでしょう! そうだっ、月並みですが。この中で、「恋人」「家族」「友人」を選んでください! これなら一目瞭然! 「そんな、無意味じゃないか」 「無意味でいったら、君の存在自体が無意味なんじゃないのか?」 「酷いよ・・・云い過ぎだ…」 「云い過ぎじゃない。限りなく真実だろう」 け、ケンカもおよしになって下さいね・・・? あ、ああ〜! 関口先生が拗ねちゃってるじゃないですか! え…? …心なしか、微妙に嬉しそうに笑ってませんか? 中禅寺さん…。まさか、ただ先生の拗ねた姿を見たかっただけですか?! 「まさか。そんな事がある訳無いだろう? 一々文句言ってたんじゃあさんの進行の差し障りになるから、注意したまでだよ。嬉しそうだ何て心外だ」 「ちゅ、中禅寺さん…口元、ほころんでるッス…」 「流石はムッツリだ。関の泣き顔ばかりだぞ…」 ああ…(溜息)。榎木津さん、それは噂の幻視ですか…。っていうかそんな映像ばっかりですか、中禅寺さんの頭は。 「し、心外だっ!」 さあ、関口せんせーい。復活してくださーい。さっさと終わらせちゃいましょう。もう、だんだん疲れてきました私も。(だから自業自得) 「う、うん。そうだね。私もこの後用事があるし」 「伴侶」は、関口先生には雪絵さんがいらっしゃるので外させてもらいました。それでは、まず「恋人」から行きましょうか。」 「こ、恋人は――え、え、榎さん…」 「関ーーっ!!」 わぁー!! 榎木津さん落ち着いてっ!! 駄目ですダメダメっ! 抱きついちゃ駄目っ! どうどうどーうっ!! 「何を言うっ!!! 漸くっ! 関から愛の告白をされたのだぞ?! これで落ち着いていられる男は不能だっ!!」 もう、二人の愛を深め合おうが、破局しようが勝手ですがね、この放送中にだけは勘弁してください(泣)! 「判った、僕も睦言を電波に乗っけるのは不本意だからな・・・」 (この人、終わったらヤル気だーー!) …ほんと、関口先生って罪作りな方ですね…。 って、のあ〜〜!!? 顔が、顔が!! 中禅寺さん、怖い、怖いです!!!! と、鳥口さんも泣かないで〜!!! 「だって〜!! あと、僕に残されているのは、「友人」か「家族」しかないじゃないっスかぁー! これで喜べってのは無理な話ですよ〜! にっこり笑って、「友人」って云われた日にはぼかぁもう、再起不能っす!! でも、家族って云われたらもっと終わりっぽい! だって一生恋人になれないじゃないっすか?! 別に関口先生がモラルなんてクソ喰らえってんなら父親だろうと兄だろうと従兄弟だろうと躊躇いもなく襲いますがねっ!」 「何を爽やかに笑いながら法に触れるような事をほざいてるんだ君は!」 「従兄弟は罪じゃないッス!! 僕に八つ当たりをしてストレスを発散させないで下さいよっ! 怖いじゃないですか!」 「強姦が罪だと言っているんだ!」 「強姦な訳ないじゃないっすか! 関口先生が頬を赤らめて、うん…って頷いてくれれば、立派な和姦っすよ!」 「僕が神として在りつづける限り、そんな御伽噺は起こり得ないよ鳥ちゃん」 「……」 わぁ―…。こわぁ――。そ、それでは、関口先生…。残りをさっさと発表して下さい…。 「いいのかな…。なんか、場が変じゃない?」 せ、関口先生っ! それって今更っ!!(驚愕) ・・・もう、いいんです、関口先生は気遣い無しにやっちゃってください。そのほうが皆、速く成仏できると思いますので…。じゃあ、「友人」と「家族」、両方同時に発表お願いします。 「じゃあ…。鳥口君がー」 「はい、僕が?」 「友人、で・・・」 「ああ…なんか、どう反応すれば良いのか、複雑…」 「京極堂が家族…。な、何で睨むんだ京極堂」 「君は、僕が肉親に見えるのかね…?」 「見える見えないじゃないだろ? そういう企画なんだから、仕方ないじゃないか!」 せ、関口先生…。理由っ…! 理由を説明しないとっ…! 「ああっ! そうだった」 「早く聞かせてもらいたいもんだね。その理由とやらを。僕がどうして君なんかの肉親におさまらなきゃいけないんだ、不愉快だ」 「だって…京極堂はいつだって、私の事を友人じゃないって云うじゃないか。だから、友人に選んだら君に悪い…というか…でも、私には京極堂は大事だから…友人が駄目なら家族しかないと思って…」 ああ…無意識で。トドメを・・・。 「まさか、自分から、恋人って言う選択肢は最初から無いのか! な〜んて、つっこめませんよね〜…中禅寺さん。真っ白?」 「いつまでも、見守る〜なんて、強がっているからそんな目に遭う」 「…? どうしたんだい。京極堂? 腹でも痛いのか?」 「君は私が黙っていると、腹痛に見えるのか。考え事をしているんだ」 「だって、君の事が心配だから…そんなに怒らないでくれよ」 「ああ、どうしてこの心配が恋とやらに結び付かないのか、僕も不思議ですよ。ねっ? 関口先生」 「何の事か、よく判らないが…」 「関は僕のことだけ分かっていれば良いんだよ・・・」 「榎さんのことも、判らないよ…」 なんて云いながら、関口先生ったら頬が赤いですね。もう、付け入る隙はなし、ですか。…み、み、眉間に激しく皺がよってらっしゃる中禅寺さん…? お疲れでしたら、どうぞ、別室へ…。 「さんは余計な気をまわす必要はない! 僕は自分の判断で自分の体を休ませることが出来るものでね!」 わわぁー!! といわれましても、私は気を回さなきゃならない役回りでして〜!(泣) っていうか、完全な八つ当たりですよ!!(いや、だから自業自得) もうっ! 「京極堂…なんで君は今日に限ってそんな大人気ない態度を取るんだ? さんは君の事を心配しただけじゃないか。それなのにそんな態度を取るなんて、京極堂らしくないよ。…どうして、そんなに不機嫌なのさ」 ・・・関口先生(血涙)。全っ然、分かってらっしゃらない・・・…(自分が関口先生の恋人に選ばれなかったからなんですよ・・・)。 「不機嫌じゃないよ。常態だ」 (うわっ、そこからシラを切ったかっ…) 「嘘だ。私は京極の事分かるんだよ? 怒っているじゃないか」 (関口先生…中禅寺さんの機嫌の善し悪しは判っても理由が分からないなんて、余計、火に油を注ぐ…) 「…まさか、私が榎木津のこと好きなのが嫌なのかい?」 …!!! 「!?」 「!!」 「う〜ん。関よ、それは正解だけど、関が思ってるのとホントはちょっと違うぞ。関の勘違いだ」 「だって…京極堂は、嫌なんだろ? 身近に男色家が居るなんて。しかも、相手は榎さんだ。汚らしく思えるかもしれないね。でも私は本気で榎さんの事、好きなんだ。諦められない。だから…京極堂が、そう思っているのなら、私も距離をとるよ…。お願いだから、はっきり云って欲しい。私の事、嫌いなんだろう」 わははははっ!!! ちょ、ちょっと待ってっ!!! く、苦しいっ!! 「せ、せ、関口先生っ!! サイッコウ!!!」 「こ〜れだから、関は大好きだっ!! 関といると、飽きやしない! さあ、京極っ! どうなんだぁ?! 関のこと嫌いなら、はっきり云ってやれ!! ほれほれっ」 か、可哀相〜!!(爆笑)嫌いじゃないですよねぇ!?好きなんですよね? ホントは!! 「え、え…?さん? 榎さん、鳥口君まで…なんで笑ってるのさ…京極堂…? 本当に顔色が悪いよ? 大丈夫かい」 わ、笑いすぎて苦しい…。鳥口さんは酸欠で撃沈してるし…。 「…余計なお世話だよ関口君。それとさん。君は最近の若者にしては、まだまともな部類かと思ったが…。それは僕の買い被りだったようだねぇ…」 ――えっ・・・呪われる――!!!! 「大丈夫だ! 京極は只話の矛先を逸らそうと悪あがきしてるだけだ! さぁ、皆は京極の面相に恐れをなしても僕には屁の河童だ、そんなことじゃ誤魔化されない! 京極は関君のこと、どう思ってるんだ?!」 「あ、そうだった…私の事、嫌ってないのかい? 今までどおり付き合ってくれるのか?」 「嫌いどころか、中禅寺さんは関口先生が大好きなんですよっ! ね、さん!! そうですよねっ!」 そうそう、訊いてみて下さい、中禅寺さんは関口先生のこと大好きですよ〜!! 間違いありませんっ!! 嫌いなら今はっきり仰ってくれますからっ! 「そうなのか…京極堂、どっちなんだ? 僕の事を考えず正直に答えて欲しい」 「そーだぞ、京極!! 偏見なんて無いんだろ? だったら、関のこと好きなんじゃないのか?!」 「私と、今まで通りでいてくれるのか…?」 中禅寺さん!! 中禅寺さんっ!! ほら、関口先生が返事を待ってます! 固まってないで〜! 「き、き、嫌いな、わけな、いじゃない、か…」 「じゃあ好きなんですねっ!?」 「どうなんだ?! 京極っ!!」 どうですか、中禅寺さんっ!! 「…京極堂…」 「す、す、す、関口の、事が、す、すす…!!!」 ――あ?! 中禅寺さんっ??! 急に立ち上がって、どうしたんですか?!! 「す」の次は?!! 「――、す――・・・関口の事がスルメイカみたいだと前々から思っていた! と云いたかったのだ! 僕は用事を思い出したので失礼する!」 「ああっ!」 走った! 逃げた! ちゅーぜんじさーんっっ!!! 放送中〜〜!! 「ずるいゾー、京極っ!! 卑怯者〜!」 「――す、スルメイカみたいって…酷いよ…京極堂…」 「あはっ…!あはははっ!!! 中禅寺さん最高です〜っ!! ぼかぁもう、腹が、はらがぁ〜〜!!!」 にしても…なんて、強情な人なんだ…。呆れるを通り越して感心してしまいましたよ。あー、関口先生? 中禅寺さんの苦し紛れの捨て台詞にショックを受けてないで…帰ってきてくださいー。 「だってさん…スルメって、するめって…」 …人の話を聴いてないな、をい。 「関よ。あれは只の苦し紛れだ。逃亡者なんて放っておいて…」 榎木津さん、どさくさに紛れて関口先生を触らないでくださいーー!(疲涙) 駄目って言ってるじゃないですか?! おお〜い、鳥口さん―。…だめだ、笑い死にしてる。 「も、もう駄目っす〜! だ、だ、だって、さん見ました?! あの、中禅寺さんの冷や汗流した困惑の表情をっ!! 大爆笑っすよっ!もうっ! ああー! 何でぼかぁ、今日に限ってカメラを持ってこなかったんだぁ!!」 もう、いいや…つ…疲れた・・・。中禅寺さんは逃亡しちゃったし、関口先生は茫然としてるし、榎木津さんは関口先生をごにょごにょ…鳥口さんは笑いっぱなしだし…もうっ! インタビューにならないっ!当たり前だけど・・・!これにて、しゅーりょー〜〜!! 今日の結果は、中禅寺さんの敗北でしたっ!! お疲れ様でした〜!! 聴取者の皆様、また、いつの日か〜! さよーならぁぁぁ〜…。 |
|||
|